怒涛の一日のはじまり(その2)

チビタマに会えたのはすごく幸せだけど、
いろいろ不手際があって、ちょっとだけ涙の出産になった。

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陣痛室で着替えを済ませ、お腹に心拍モニターを装着。
痛みが来たら、長く息を吐いて力を抜くように指示される。
いきんでしまうとへその緒から赤ちゃんに酸素がいかなくなり、
赤ちゃんも苦しくなってしまうのだそう。

はじめはオットと話している余裕もあった。
静かな病院、いよいよかあ、という思い。

長く息を吐いて、痛みを逃すこともできたのも最初だけで、
段々痛みが我慢できなくなってきて、
息を吐くときに「あーー!いーー!」と叫んでしまう。
最終的には息を吐くとき「痛いーー!」と恥も外聞もなく叫んでいたww
もう、あれは本当にこの世のものとは思えないくらい痛かった。

マタニティクラスで出産の映像を見させられたんだけど、
その妊婦さんは、きちんと段階を追って呼吸法をしていたんですね。
あんな冷静に呼吸法をやれるとは、あの妊婦さんすごいよ…と今は思いますww
いざその場になってみると、そんな呼吸法をやっているヒマもないくらい、
半分パニックになっていた。
目を開けて呼吸法をしましょうと言われていたのに、ほぼ目を閉じてましたww

オットには陣痛がきたら腰をマッサージしてもらい、
肛門にテニスボールをあててもらったり、水分補給させてもらったり。
サポートしてもらいました。

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子宮口は順調に5時か6時くらいには10センチに。
これで分娩台に行けるー!と思ったらそうは問屋が卸さない。
まだ陣痛が弱かったみたいで、もう少し様子を見ましょうとのこと。
まだこの地獄の苦しみが続くのか…!(精神が折れそうになる)

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陣痛が来たらひたすら息を吐いて痛みを逃すようにするが、
それもそろそろ限界。
助産師さんに経過を見てもらう。
ここからはいきみの練習をしましょう!とやっと許可が。
(でもまだ分娩台には行かないww)

陣痛室でいきみの練習をする。
痛みのピークの前に息を大きく吐いて、ピークが来たら息を吸って止める。
腰を丸めて、おへそを見て、尻に力を入れる。
限界までいきんで、我慢できなくなったら脱力。
脱力後は全身の力を抜いて深呼吸。

と簡単に言われるけど、これが難しい。
特に脱力後のリラックスができなくて、どうしても力が入ったままになってしまう。
(赤ちゃんが苦しくなってしまうので、力を抜かなければいけないのだ)

陣痛がくるたびに、いきみの練習を何度となく繰り返す。
こんなにいきんで苦しくて脱力できなくて、チビタマ大丈夫なのかと不安になる。
そして一回いきむごとに腰に割れるような痛みが…!
これには本当に参りました。
練習⇒腰が痛いー!と叫ぶ。もう周りなんてかまってられない。
出産って本当、理性が崩壊しますね^^;

いきみ後のリラックスが本当にもうできない状態になってきたところで、
助産師さんが、子宮に手を入れて赤ちゃんの様子を見る。
「こっちこっち」と赤ちゃんの位置を微調整していたみたい。
何度かぐりぐりされていると、突然パシャッと大量に水が流れ出た。
あ、これが破水か!ってはっきりわかるくらい、水が流れた。

破水したのでもう分娩台でしょう、と思ったら、
陣痛の間隔がもう少し短くならないと…と言われてしまう。
えー!まだなのーー!!
正直、この頃には精神的に限界がきてました。
だってもう子宮口全開してから、4〜5時間たってるんだよーー!
イメージとしては、破水⇒即出産、もしくは子宮口全開⇒即出産、
だと思っていたのに、どちらにもあてはまらず。
出産が人それぞれって本当でした^^;

それからしばらくして陣痛の間隔も短くなり、
いよいよ分娩台に行く頃には、精神も体力もヘロヘロ。
でも、最後の大仕事が待っているのです!

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10時、分娩台に上がる。いよいよ出産です!
いきみの練習の成果を見せるときが来た!
まあ、分娩台でもいきむたびに腰が痛いー!と叫んでいたわけですがww
でも、助産師さんや先生からは「うまいうまい、その調子」と褒められました^^

一生懸命、いきむたびお股に力を入れるけど、
自分ではチビタマが下りてきている感覚はわかりませんでした。
なので、本当にうまくやれてるのか、チビタマはうまく生まれるのか、
先の見えない状態で、ただひたすら痛みがきたらいきむのみ。

そのうち頭が見えて来たみたいで、お股になにか違和感が。
すかさず先生に「会陰切開しましょう」と言われるが、
答える余裕もない。もうどうにでもして〜。

早くチビタマを出してあげたいのに
なかなか痛みが来ないからいきめなくて、結構苦労しました。
この時は、早く陣痛来て!来て!と思ってました。

お股に塊を感じる。頭が出てきたようだ。
こっちとしては辛いから、もう一気に出しちゃいたいのに、
先生は「もう1回、次(のいきみ)で」と言われる。
えーーっ!と思うけど、仕方ない。
オットが「もうちょっとだよ」と励ましてくれる。

そうして、もうこれが最後と、力いっぱいいきんだ。
「はい、力抜いて!力抜いて!」と言われ、意識朦朧のまま力を抜く。
すると、お股からズルリと何かがーー!!

2015年8月13日 10時40分

「う、生まれたーー!」

が私の第一声でした。
私のお股の方で、赤ちゃんがふにゃぁふにゃぁと泣いている。
産まれたてほやほやの小さなか弱い泣き声。
スタッフの皆さんもホッとした表情。
「元気な男の子ですよ」と言われる。男の子だったかー^^

産まれた瞬間、体も心もすべての力が脱力した。
やったー!産まれたー!やっと会えたねー!よかったー!
とかそんなことをオットに言ってた気がする。

怒涛の展開が過ぎて、ヨメは放心状態。
しかし、術後の処置がある。
出産後の処置(胎盤の排出、会陰の縫合)をしてもらい、
チビタマはへその緒の処置をしてもらう。
その後、カンガルーケア(生まれてすぐにママのお腹に乗せる)。

チビタマはぺちょんと私のお腹に乗ってくれた。
青紫のしわくちゃな塊。
しっとりしていて、羊水なのかちょっと生臭い匂いがした^^;
産まれて1時間もたたないたどたどしい赤ちゃんなのに、
ちゃんとお乳に吸い付いて、ごくごく初乳を飲んでくれました。
この感動は一生忘れないと思います^^
(つづく)